「原付ツーリング2014」
(日付2014.10.11〜12)

 〜プロローグ〜


 2014年10月11日・・・。

 大学の問題児から、社会の問題児へと変貌した・・・・
 あの男二人が、東京都の上野に集結した!!まじめに働いてますよ!

 
神津にいくばぁ管理人「中村圭
※写真はイメージです。
 
大学の先輩「ふうた

 原付ツーリングは2度目。
 前回の原付ツーリングは、2010年9月18日。
  →前回のレポートはこちら

 前回どんなツーリングだったかと、少し振り返ると。

神奈川県〜長野県


長野県は大糸線の駅で野宿。


日本海を見た後、山の上まで走り詰め。日本一高い国道を通り、群馬草津へ。


そして、八ッ場ダムの湖底に沈んでしまう河原湯温泉駅で野宿。


群馬県の榛名湖。


締めは相模大野の二郎(定休日でした)


総移動距離 約800キロの行程図


こんな、ツーリングから、
約4年1ヶ月振りの原付ツーリングの幕が開ける!!

ババン!



1章 はじまり



2014年10月10日 10時30分 上野駅前。天候は晴れ。


10月前半。週末が来るたびに、台風が来るという不運が続いた。
秋の行楽シーズンにも関わらず、予定を変えた方は多いのではないだろうか?

そう。
僕達二人も予定を変えた二人なのである。

もともと、9日の夜から神津島へ出航し、神津島で塩を作ろうとかそんな予定だった。
しかし、台風接近で帰りの船が出ない危険性があったため断念したのだ。

ぽっかり明いてしまった予定・・・。

「どうする?」

お互いが自然と同じ言葉を口にする。



「「・・・ツーリングでしょぉぉぉぉーーー!」」


再び、お互いが自然と同じ言葉を口にした。
悩む時間は必要なかったのだ。

天気の神が台風を呼び、
二人を神津島ではなく、ツーリングへと仕向けたのだ。

ツーリングに行くと話しはまとまった。


そもそも、
なぜ、上野駅前集合なのか?

それは、長い4年という月日は残酷なもので、自分の原付は大学卒業と同時に後輩のもとへ。
そして、その後輩も3年前に大きいバイクを買ったとらしいので、
4年前に乗っていたパートナーはどこに居るのか今となってはわからないのです・・・。

【所在不明のパートナー(2010年撮影)】

しかも、急な予定変更のツーリングのため、
新しく原付を買うわけにもいかず、借りることに・・・。
近くに借りられる原付があるのは上野しかなかったわけです。

原付1泊2日で8000円。
社会人の財布からでは余裕。でもないが、仕方ない。

よろしく頼むぜ!ニュー相棒!

【HONDA TODAY 原付(法定速度30キロ)】


しかし、何処に行くか決まっていなかった。

集合しても行き先は何も決まっていなかった。


どこにいこう・・・。。。




第2章 目的地決定!



【ツーリングマップル 関東甲信越版】

困った時のこいつ。
ツーリングするものにとってのバイブル。
「ツーリングマップル 関東甲信越版」登場。


基本的に、山を目指したい人達なので、関東平野を早々に脱出したい思いは共通である。

そこで考える。シンキングタイム(上野駅前にて)

山梨方面は前回と被るなぁーなので、山梨方面は無し!



茨城と千葉も、海にあたっちゃうしなぁー。 なので、なし!



そうなるとー、北だ!
先輩のおじいちゃんの家も群馬北部にあるということで、
ちょっと寄りたいからそっちの方角の方がいいねー!ってな流れに。


適当に地図を見て、目に入った地名を挙げていく・・・。

群馬ー?
沼田ー?

栃木ー?
宇都宮ー?
日光ー?

「うーんとりあえず、日光の方いいね!」

「群馬のじいちゃん家に寄らなくていいから日光の方いって、
    そこから山の中走っていけるところまでいこうほ!」

「いいね!・・・だけど、実はそっちの方の道は2週間前くらいに中型バイクでツーリングいったんだぉー」
    「だから、被ってる道は出来るだけ減らしたい!」

「どこまでいったんだほー?」

「日光から北上して鬼怒川温泉らへん通って、南会津を通ったくらい。
    だから、福島県の南端らへんまで行ったおー!」

「福島の南端までかほー。じゃぁ、今日は福島攻めるかっほー?」

「原付で福島!?」


「いや、同じじゃつまんないから、山形いくほーーーい!」



「!?」「や・・・ま・・・が・・・たぁ、だぁぁぁぁ!?!?!?」

※イメージ





「山形あたりで、秘湯温泉にでもはいるべ〜」

「はい〜・・・、山形入ってすぐの米沢あたり目指しましょ〜・・・。」







こうして、志は高く!ということで、

1泊2日なのにも関わらず、

原付にも関わらず、

30キロしか出せないにも関わらず、

山形県(米沢らへん)、までの片道300キロの旅路が決まった!



第3章 エンジン始動!北上開始!



上野駅で集合して約30分。現在時刻は11時。

キーはOFFからONへ。
握られるブレーキ。
押されるセルスイッチ(エンジンをかけるやつ)。

ぶるぅんんん・・・。

レンタルバイクだもの、整備は完璧!

さぁ、いくぜ、相棒!






勢いよく飛び出たのは良いものの、都会ちっくな国道4号は長い。

線路を越え、川を越え、ただただ原付をふかす。



11時42分 YAMADA電気に立ち寄りカメラのSDカードを購入


まだまだ、


走るぅー

エンジン吹かすぅー


所々バイパスになっているようで快調に飛ばせるぜぃ♪






↑ 福島   234キロ
4 宇都宮  67キロ
│ 小山    33キロ

まだまだぁだぁーー!!

国道4号線を北上しきってやろうじゃないのー!
(国道4号線は青森まで続いているので途中でバイバイしますよー。)


撮影失敗(涙

13時18分 栃木県 突入!!


まだまだ、国道4号線を北上!







まだまだ、国道4号線は続く・・・



第4章 グッバイ4号線。そして至福の時間。


国道4号線にあるコンビににて休憩  現在時刻13時37分

国道4号線の北上中。

コンビニで休憩中に、ご夫婦に声を掛けられる。
原付のナンバーを見て、神奈川県だと気づいたのだろう。

「どこまでいくのぉー?」

「・・・山形です!」

「あらまぁー、まぁ渋滞してたら原付の方が速いもんね〜」
「私らはこれから那須の温泉に行くんだよー」

という感じで旅情緒を味わい、一期一会をかみ締め、さぁ出発!


目前の目的地は宇都宮!!

宇都宮と言ったら、餃子!!

餃子くうぞ!餃子ぁー!!



待ってろ、餃子ぁー!!



国道4号線とは、「下栗」交差点でバイバイ!

14時25分 上野から一緒だった国道4号線とお別れ。また、逢おう!



14時44分 宇都宮市外へ突入! 約100キロを走行!


そしてー!
ついにー!

念願のー!


念願のー!


みんみんの〜!

餃子!

餃子1人4人前(24個)!とライス!
これで1000円くらい(^^)!

うまし!


最後の晩餐やぁー!




この先、寝どころとか飯どころがどうなるかわかならないので、
食えるときに食っておく!これが鉄則!

お腹パンパンで宇都宮を楽しみました!



第5章 夕暮れ、そして闇の訪れ


16時31分 日光市の夕暮れ

ガソリンとも言える餃子で、現金満タンで今後の鋭気を養えた。
2人は再び原付にまたがった。

秋の夜はつるべ落とし。

秋は気がつくとすぐに日が暮れてしまう。
今日もそんな感じだ。

餃子と戯れていたらすでに夕暮れとなり風が冷たく感じるようになった。

今後、宇都宮、日光と都市を離れ、山間の道を入ることを予定しているにもかかわらず、
考えていた以上に寒さが体に染みる。



17時4分 日光街道のコンビににてお着替え。

寒かったため、下着を着込んだりとお世話になりました。

この後、突撃するであろう山間部での寒さに耐えるため気合を入れる・・・。

日が落ち気温が下がる。標高が上がり気温が下がる。


寒さよ!かかってこい!!

防寒をして再び走り出す!


日光街道で有名な杉並木の近くを走る。


ここから、大きな市街をあまり通らないということなので、
こまめの給油をしておこうとなった。

不安の種を少しでも減らそうというわけだ。

以前、この辺りを通った時に使ったガソリンスタンドが丁度いいところにあるのを思い出した。
そこに寄って行こう。

原付は世界遺産日光方面から方向転換。
鬼怒川温泉方面、会津へと続く山へと車輪を向けた。


もう真っ暗。

夕方があっと今に過ぎ、原付の周りに闇が付き纏ってくる。
街灯も少ない道を、原付の弱いヘッドランプが闇を照らし始めた。


僕らのこの先も明るく照らして欲しいものだ。



・・・ガソリンスタンドはもうすぐだ。














第6章 波乱万丈







・・・






・・・ ・・・







・・・ ・・・ ・・・






あ・・・









 あれれ?







「先輩!何やってるんですか!?」

「うほほー」


「えっ!?トラックに!?バイクを!?つんでいる!?」

「うほほー」


「完成だ、うほほー」


「原付が縛られて、トラックに載せられて、・・・旅は・・・、もう・・・終わり・・・・なのか・・・」



「終わり・・・」



「・・・」



「・・・なんで、こうなったんだぁー!」








第7章 運命のいたずら

なぜ、僕らの原付はトラックに積まれてしまったのだろうか・・・。



コンビニで休憩をして防寒対策をしたのが17時頃。
原付がトラックに積まれていたのが19時頃。

この2時間の間に何があったのか・・・。




コンビニからは順調に走り出していた。

鬼怒川温泉の手前くらいまでは来ていた。

ガソリンスタンドまでは後少し。


このとき僕は、先頭を走り、
バックミラー越しに先輩を確認しつつ、快調に走行していた。


しかし、とある交差点を過ぎてから、先輩の確認を少しの間忘れてしまっていた。

「あっ!」と思い、

僕はとっさにミラーを見た。



いない!


いないのである。


先輩の乗っているであろう原付の明かりが見えないのである。


目的地のガソリンスタンドに到着した一人ぼっち原付ライダー。




今来た道を、遠く眺めるのだが、
来るのはヘッドライトが2灯ある車だけ。



交差点付近から見失ったのだから、
もしかして、信号無視の車に突っ込まれたとか、
路肩に突っ込んで事故を起こしているのではないか!?とか、


不安がよぎった。


田舎のガソリンスタンドに、ただただ車の走り去る音だけが響き渡る。


それほど時間は経ってないのだが、長い長い時間に感じた。


待てど待てども走って来ない。

元の道を戻ろう・・・。



先輩!生きてておくれ・・・!



もとの道を戻る急に一人ぼっちになったライダー。




・・・しかし、車道に先輩の姿はない。
原付の明かりが見えてくることはなかった。




もしかして、もしかして、本当に先輩は・・・・





・・・




ん? 歩道の方を見ると・・・






いたぁーーーーー!






先輩
 



「なかけぇーーー」 (中村圭の略)

「せんぱぁーーーーい!!・・・原付押しながら歩いてるなんて、どうしたんっすかぁ!?」

「原付、ぶっ壊れたんだほぉー(涙」

「えーーーーっ!?」

「エンジンはかかるけど、タイヤに動力を繋ぐベルトが切れたんだほー」
    「だから、リアル実際に走れないほー」

「走れないなんて・・・。とりあえず、近くのガソリンスタンドに行って相談してみましょうよ!」

「そうするほー」



こうして、奇跡の再開を果たした二人は、原付を押しながらガソリンスタンドに行くことに。



「よいしょ、よいしょ」


「着いたほー。すいませーん。原付の修理ってできないかほー?」

「あぁー、うちじゃぁ・・・できないねぇー」

「そうかほー、どうすっぺほー。・・・バイク屋調べるほー!うーん・・・」



「おっ、君達、どうしたんだい?」

「ツーリングの途中でバイクが壊れてしまい、困っているんです。ところで、あなたは・・・?」

「私は、通りすがりのお兄さんだよ。たまたま、給油をして通りかかったんだ」
     「バイクで困っているなら、あそこだ!餃子輪店というとこに聞いてみたらどうだい。」

「ありがとうございます!聞いてみるほー。」
    「プルルル、餃子輪店さんですかほー?原付が壊れてんだほー?直せるかほー?・・・」

「・・・だめだほー。」

「そうかー。じゃ、日光バイクはどうだい?そうだね、そこは、私が電話してあげるよ。」
    「プルルル、日光バイクさん? えぇ、いま、このガソリンスタンドなんだけど、バイクで困っている人が居てね」
    「軽トラとかで迎えに来てもらえない?それ以前に部品が無いから直せない?それじゃ、だめだな」

「すまない、だめみたいだ」

「ありがとうだほー。・・・どうするかほー」

「うーん、こうなったら、レンタカー屋でトラック借りて、原付載せて、帰るほー。
    トラックは乗り捨てだほー。近くのレンタカー屋は、・・・少し遠いほー」

「俺、一人で原付で車を借りに行って、迎えに来ればいいですかね?しかし、慣れない土地で不安だぁ」

「なかけいのバイクで、壊れた原付を引っ張りながら一緒に行こうほー!」

「いいですねー!あっ、でも、それじゃ、営業時間中に間に合いそうにないですよ・・・」


「うーん・・・」


「仕方ない。私が、そのレンタカー屋まで送っていってあげるよ。バイクはココにおいていって、
     トラックで戻ってくればいい。店員さん、置いて行って大丈夫かい?」

「大丈夫ですよー。」

「それじゃ、君達、私の車に乗りなさい。」

「えっ!・・・あっ!ありがとうございます!」


こうして、2人はガソリンスタンドでたまたま出会った方の車でレンタカー屋に向かうことになりました。



ぶーん



「ちなみに、君達はどこを目指しているんだい?」

「山形だほー。そんて、夜はそのへんで野宿する予定だほー」

「山形とはすごい!応援するよ。」
    「しかしこの辺りの夜をなめると、死ぬぞ。車で帰るってのも命拾いだね」

「そうだったのかほー。よかったほ。それにしても、見ず知らずの2人を送っていてくれたありがとうだほー」

「困った者を見捨てるわけにはいかないからね。」

「原付が壊れたのはこれで2回目で、前回は、一人で宮城に行った帰りに壊れたんだほー。
    だけど、壊れた所に丁度バイク屋があって助かったんだほー」

「ははは。君はついているね。ん?・・・宮城に行ったのかい?」

「そうだほー。ボランティアにいったんだほー」

「あっはっはっはー!被災地に行ってボランティアをする。口ではみんな行きたいとか言うが、
     実際に行くとはたいしたもんだ!だから、その行いがまわりまわって、今日、こうして助けられたんだな」

「そういわれると、感慨深いほー」



「ほい。レンタカー屋に着いたよ。・・・んっ?おっと、店員さん!この車は返却じゃないぜ!」

「あはは。送ってくれて、ほんとありがとうございましたー!」

「あぁ。こんないい人が世の中に居るってことを知れてよかったな。それじゃ、気をつけて」






先輩の原付が壊れてしまったが、途方に迷うこともなく、
ガソリンスタンドから離れたレンター屋に送ってもらえ、
トラックを借りて、原付を持って帰れる道筋がついた。

このように、、
トラックを借り、ガソリンスタンドに戻って、原付の積み込みとなったわけです。




第8章 旅の終わり・・・

上野駅を出発して約8時間。

走行距離150キロほど。


僕らを運んでくれた原付達はトラックの荷台に縛られた。

原付ツーリングは強制終了となってしまったのである。

「しっかり、縛れたみたいですし・・・。では、東京の方に帰りますか!」

「・・・」

「どうしたんですか?」

「・・・このトラックでツーリング続行だほー」

「・・・えっ?」



「ここまで来て帰るのは悔しいほー。
   温泉入ってないし、時間もあるし、これで山形めざすほー」




「・・・なんてこったい!\(^o^)/」



こうして、
原付2台(内1台はレンタルバイク)を荷台に積んだトラックのツーリング?ドライブが始まった!!



 現在時刻 19時50分。

 現在地 鬼怒川温泉手前



第9章 旅の再スタート


原付を荷台に載せたトラックの奇妙なツーリングが始まった。


まずは、風呂!温泉ということで、気になっていた温泉を目指すことに。

その名も「湯西川温泉」。
栃木県日光市の北部、湯西川という河川から名をとった温泉で、
なんと、平家のとある一族が落ち延びて集落を形成したとか。
温泉の発祥から約400年も経っているという、歴史風情ある温泉郷なのです。


近くの有名温泉どころ、鬼怒川温泉、川治温泉を原付を載せたトラックが闇を切り裂きながら走り去る。


途中の、道の駅「湯西川」というところで休憩。時刻は約20時20分。


足湯であるが、できる限りの体力回復のために、手湯もする先輩。
日帰り温泉施設もあったのだが、最終受付時間を過ぎていた。

道の駅「湯西川」というところから、湯西川温泉郷まではまだ約15キロ離れているが、
この道の駅に併設して、野岩鉄道の湯西川温泉駅があった。


駅は階段の下。


きらきら。


トンネルの中!?ここもモグラ駅だ!



トラック原付ツーリングの小さな散策を楽しみつつ、
15キロほど離れた湯西川温泉郷を目指す。


トラックを走らせ、20時50分頃、湯西川温泉郷に到着!


ここで、気になっていた「湯西川温泉」の「薬師の湯」に入る。
ちょうど、湯西川を渡る歩行者専用橋の隅にあった。




そうここは、
公衆浴場というものであり、地元の人のためのお風呂である。
観光客も入ることは可能だが、お風呂に入れさせてもらっている。
お邪魔させて頂いている謙虚な気持ちを持たなければならない。

料金は200円。

川岸に建てられて小屋の扉をを開けると、


すぐに、更衣室がある。

そして、更衣室からすぐ左は浴槽である。


シャワーもカランもない。
湯船一つと水がずっとでいているホースのみ。


そして、

お気づきかと思いますが、混浴です。
※結局誰も入ってきませんでしたが。



体を流し、湯船に浸かる。
少し熱いが、疲れた体には丁度いい。
ほんのり香る硫化水素臭も温泉らしさを増してくれた。

浸かって体を暖める。
そして、ホースからじゃぶじゃぶ出てくる水をかぶり、体を冷ます。
再度、湯船に浸かって体を温める・・・。

健康的なんだか体を壊す元なんだかわかないことを繰り返して風呂を楽しんだ。

さらに窓を開けると、
ライトアップされた湯西川がきれいであった。


こうして、二人は湯西川温泉薬師の湯にて癒されたのである。


※イメージ。左下の建物が今入っている公衆浴場です。



第10章 温泉、そして温泉


湯西川温泉で癒される2人。
公衆浴場「薬師の湯」の窓を開け、外を見ていたときのこと。


「開放的だぁー♪川もきれいだなぁ〜♪・・・あっ!先輩!対岸に人影がありますよ!」

「本当だほー。あれは、男2人だほなー。」

ほほ!?・・・あの、二人の足元に湯気が出ているところがあるほー!」

「!?本当だー!あれは無料の露天温泉ですかね!?初めて知りました!ここの次に入りに行きましょう!」

「いくほー。だけど、もうちょっと、こっちに入るほー」

「・・・あっ、男2人はその露天風呂に入らないで橋を渡ってる。
    こっちの公衆浴場に来るんじゃないですか?」

「うほ。露天風呂を諦めたのかほ?こっちに来たら仲良くなろうほー」

「来ますかねー?」



ガ・・・・ラ・・・・ガ・・・・ラ・・・・(扉をゆっくり少し開ける音)


「おっ、来たか?」



・・・



ぴしゃん!!


外の男「ここ、やっべー〜・・・」 わしゃわしゃー・・・


「・・・」


こうして、対岸にいた男2人は、対岸の無料露天風呂にも入らず、
こちらの公衆浴場も覗いただけで、風呂に入ることなく消えていった。


「大学生くらいですかねー?」

「最近の若い人にとって、こういう公衆浴場は敷居が高いんだほなー」

「根性を見せて欲しかったですねー。味があっていいのにー!。
    じゃぁ、そろそろ対岸の露天風呂みたいなやつに行きましょう!」

「いこうほー。着替えるほっほー」



こうして、2人は公衆浴場「薬師の湯」を満喫し、
偶然にも見つけた対岸の露天風呂らしき所にいくのであった。




「階段降りるほー・・・」

「よいしょ。よいしょ。・・・露天風呂だといいですねー!」

「よっ。よっと。ふぅ。・・・着いたほー。湯船みたいになってるほー・・・。」

「温度はどうですかー?」

「・・・あったかいほー!露天風呂だほー!」

「うほほーーいい!!入りましょう!入りましょう!」

「川沿いの無料露天風呂なんで最高だほー!」




こうして、偶然見つけた風呂らしき物が無料露天風呂だと確信した2人は、
暗闇にまぎれて、服を脱いだ。

「はいるほー」

「入りましょう!」


 ちゃぷん



「「・・・っ!!熱っっ!!」」

「先輩!これ、熱すぎますよ!」

「こんなに熱いとは思わなかったほー。無理して入ったら、熱いを通り過ぎて痛いほー。」

「自分も無理したから、なんか痛いし、金玉がズキズキしてきました」

「風呂に入って、痛いとか初めての経験だおー。」

「こりゃ強敵ですねー。」

「川は冷たいほー。川に入ってからこっちにはいればーいいほー。」

「たしかにー!」


熱すぎる温泉に対抗すべく、
川の冷水で体を冷やし、感覚をまひさせてから、
熱水に挑むという神業を生み出したのだった。

川に入る。ちゃぷん。
「川、めっちゃつめたぁー・・・。これで、風呂に浸かれるぞ・・・。」
    

こうしてから、無料露天風呂に入る。ちゃぷん。

「ふぅ・・・。いいお湯。・・・気持ちいいなぁ。・・・いいお湯・・・お湯・・・湯・・・」


「熱っちぃー!!」


山間のちょっとした川辺に佇む無料露天風呂の敷居は高かった。

熱すぎて入れない。

無理して入ると金玉ズキズキ。

無理は出来ない。しかし、風呂に浸かりたい・・・。

風呂を冷まそう・・・。


「熱いほー・・・」

「湯もみなんてどうかほー?」

「やってみます!」

風呂に数秒入り、全身でお湯をかき混ぜて適温にしようという企みだ。

ばしゃばしゃばしゃ・・・

「あっつうぅぅぅ」

しかし、金玉がズキズキ。
ゆっくり入れる温度には程遠かった・・・。


桶などを持っていないため、川の冷水を汲んで風呂にいれることもできないし、

いつになった、ゆっくり入れるんだろうか・・・。



第11章 温泉一期一会

「あついなぁ。・・・あっ、誰か2人来ましたよー」

「熱湯の犠牲者が増えることになるほー」



「こんばんはー。」

「「こんばんはー」」

「ここ、熱すぎて入れないほー」

「またまたー。うそでしょ?どれどれ・・・。」


熱湯なことを知らず、新たに2人の男性がやってきた。
湯西川のほとりに、全裸男が4人に。

「熱っ!」

「だから言ったほー」

「これは冷まさないとなぁー」

「熱い温泉がずっと入り続けてくるんですよー」
    「だから、僕らは川に入って体を冷やしたりして入ってましたー・・・」

「君たちは変なことをするねー。」

「お前ら馬鹿だろー(笑)」

「冷ましてゆっくり入りたいんだほー」


ちなみに、お風呂はこんな感じになっている。




熱水の供給源は2つ。
1、沢のようにちょろちょろ流入する熱水
2、ドバドバ熱水を吐き出す太めのホース

1は、地形的に対応不可なので
2のホースをどうにかしなければならない。


「とりあえず、そのホースどかせば?」

「それは、思いつかなかったほー!」

「ほりゃ」



「これで徐々に入れるようになるだろー」
    「てか、2人が真っ先にホースどかしてくれよ(笑!」

「たしかに、気づかなかったほー」

「俺らが来なかったら、ずっと、川に入ったりして熱湯風呂に入ることになってたな!」

「ありがとうございます。何で気づけなかったんでしょうね(笑?」

「これで、時間も経てば入れるようになるだろー。
    ところで、出身とかどこー?」

「神奈川だほ!今日は原付で来ただほー」

「原付かぁー。好きだねそういうの。・・・やっぱりお前らはバカだな!」

「ちなみに、そちらはどちらから来たんですか?」

「俺らは栃木県よー。てか、栃木から出たことないんだぜー。栃木LOVE」

「そして、今日は熊に乗ってきたんだぜー

「熊(笑!? その熊は今、何処に停めているんですか(笑?」

「熊は今、山に返した。笛を吹けばすぐに戻ってくるんだよー

「実は、俺、金太郎って言ってな。丸に金って書いてある前掛けが普段着なんだけど、
    今日、それを着て来るとみんなにばれちまうから、着て来れなかったんだぜい。」

「ほーほー」

「てか、話し変えていい?
    昨日5−0ぐらいが堅かったよなぁー。オウンゴールの1−0はないでしょー」

※昨日はサッカー日本代表の試合がありました。

「ザックジャパン!」

「おいおい〜。今はアギーレジャパンだぜぇー」


「ほーほー」

「てか、あそこ見てみろよ。カップルだ。チュウしたぞ!」

「雰囲気のいい温泉街でチュウなんてロマンチックですねー」

「星空もきれいだし、『君の瞳が流れ星でー』とか言ってんだろうな」

「あっはっはっはー」

「今日はいいねぇー。お前らおもしろいねー。風呂は熱いけど星もきれいだ最高だよ」

「てか、お前らモジャモジャしてるなぁ。今、もじゃもじゃしているのは日本人くらいで、
    外人なんてみんな剃ってるんだぞ。もちろん、オレの嫁も・・・」
    「てか、もじゃもじゃのやつと付き合ったことないわー・・・」
    
「ここらへんは平一族に関係があるんだよなぁー」
   「そういえば、たいらなんとかってアイドル居たっけなー」

・・・

「ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ・・・」

「そろそろ、風呂は入れるんじゃねー」

「まだ、あちぃ!」

「ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ・・・」

「こんばんばー。どうもー」


「どうもー」


全裸男6人なった。


「ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ・・・」

「いい、感じで入れますよ!」

「おぉ、いい感じだぁー。あちいけど、さっきよりいいなぁー」

「いい湯ですよー」

「ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ・・・」

・・・

「では、お先失礼しますねー。」

「どうもー」


かれこれ、露天風呂を見つけてから2時間
適当なことばかりしゃべって、お風呂に浸かった。
熱い風呂、冷たい川、低い気温。
ぽっかぽかという表現とはちがう、
どちらかというと風邪をひく2歩手前な状態になってきた。

「そろそろいくほー」
「そうですねー」
「おう、気をつけてな。喜多方で朝ラーメン食べろよ」
「どうもー」

「はーい」


「長居しすぎたほー。まだ、山形県は遠いほー」

「先を急ぎますか。それにして、露天風呂2時間はすごいっすね!」



第12章 真夜中ドライブ


熱い風呂。

冷たい川。

低い気温。

そこに2時間。

風邪気味になった2人。


とりあえず、再び原付にまたがるように、トラックに乗り、北を目指す。

北上するには、いったん国道に戻らなくならなく、それが地味に遠回りであった。

「ショートカットしたいんですけどねー」
「ここ見てほ!おもしろそうで、近道な林道があるほ!」
「ふむふむ、・・・良さそうですねー!行ってみましょうか!」
「出発ほー」

こうして、近道をするために、林道通ることになった。



「すっごい山深いですねー。てか、あんまり速度もでないので、近道にはならなそうですね」
「おもしろいから、いいんだほー」
「あっ、地図をよく見てみると、
     ・白砂が浮いてスリッピー 要注意
     ・福島県側は砂利道15キロ
     ・谷底への転落注意
     ・林道入口から砂利道なのが嬉しい。とか書いてありますよ!」
「興奮するほー」
「・・・。あっ!なんか、さっき、『この先通行止め』みたいな文字が見えましたよ・・・」
「気のせいだほ。大丈夫だほー」
「そうだと、いいんですがー」
「通行止めならその箇所が早く出てきて欲しいほー。奥まで行って、戻りたくないほー」
「急がば廻れみたいな感じになっちゃいますもんね。」



暗闇の林道をトラックが疾走する。

こうして、林道にある、栃木県と福島県の県境を越え、
福島県に突入!

東北進入!!

トラックは、砂利道の林道を快調に飛ばす。


そんなとき、

「うほ!」


「こりゃ、やばい。谷底まで崩れている・・・」

「・・・幅は残ってるし、大丈夫だほー。いくほー」


「えっ!これ行くんですか?・・・ぎゃぁぁぁぁ・・・・。・・・はぁはぁ・・・」

「大丈夫だったほー。」

「めっちゃ、怖かったですよ!」

「これを越えれば、林道の終点までいけるほー。近道成功だほー!」


風呂の後に、肝っ玉をキンキンに冷やした2人であった。
こうして、近道?をした2人は、山中の寂しい国道にたどり着けた。

時刻は、0時50分。この先の道を確認する。


今日の寝どころは決まっていない。
とりあえず、北上するルートを決めた。
予定は未定。夜も更ける福島車はただただ北を目指す。

「ZZZ...ZZZ...」

「あっ、寝てしまいましたすみません。ここは何処ですか?」
「わ、わからない・・・ほー。とり、とりあえ・・・ず、この辺だと・・・だと思う・・・ほー」
「そこだと、まだまだですねー。先輩は眠くないんですか?」
「だ・・・、だい、大丈夫・・・だ・・・ほ・・・」
「そ、そうですか・・・。・・・眠いなぁ。どこかで、車を停めて寝ましょうよ」
「わ、わか、わかった・・・ほー・・・。とり・・・あえず・・・、いけるところ・・・いく・・・ぉ・・・」


上野を出発して13時間。

2人は睡魔に襲われていた。
それでも、命を削ってトラックを北に走らせる先輩。
山形が呼んでいるんだ。

「先輩!さっきから徐々に速度が落ちて、今は40キロでしか走れてないじゃないですかー」

40キロでふらふらしながら運転する先輩を見て、焦る中村。

「これ以上だしたら・・・、事故るほー・・・」
「・・・」
「・・・」


トラックは、さらに速度を落とした。
ふらふらになりながらも、車を停めるところを探し始めたのだ。

山中に道の駅やコンビニなんて存在しない。

車を停めたのは、とある集落のはずれ。
道がちょっと広くなっているところ。
そんなところにトラックを停めた。

時間は午前2時30分。
先輩は車を停めて3分で眠りに着いた。
トラックの背もたれは垂直で、リクライニングなんて夢のまた夢。
それでも、一瞬で眠りに着いた。

僕も追いかけるように眠った。

ここは、福島県のとる山中のとある集落のはずれ。




第13章 2日目の始まり

夜は冷える。

車の暖房をつけたりけしたり。

垂直の座席仲良くするために、目が覚めては寝やすいポジションを探した。

首、体がバキバキだ。


気づけば、3時間が経ち、回りが明るくなってきた。時刻は午前5時30分。






2人は再び、走り出す!


味のある集落を超えて〜


只見線を越えて〜




福島の幻想的な朝日に出会い〜


とりあえず、目指すは喜多方!
喜多方には昨日の湯西川温泉でが教えてくれた、
「朝ラーメン」があるということなので、朝食を喜多方ラーメンにしたのだ!

山間を抜け、会津若松市の盆地にだりつき、喜多方方面へ!

トラックを快調に飛ばし午前6時40分!喜多方市街到着!


さぁ、食べるぞ!喜多方、朝ラーメン!


第14章 朝ラーメン

「喜多方には朝ラーメンがある。食べるといいよ」

嘘かと思っていたが、ほんとだった一言で決まった、喜多方朝ラーメン。


時刻は午前6時40分。
目的の朝ラーメン屋の駐車場に到着!

「朝からラーメンって面白いですねー」
「斬新だほー。早く食べたいほー。」


ちなみにだが、昨日の宇都宮の餃子(昨日午後3時)から飯を食っていない

原付ぶっ壊れ事件と湯西川温泉2時間風呂、林道近道事変の攻めで、飯屋を見つけられる暇が無かったのだ。

「朝ラーメンといっても、朝からのラーメン屋は空いてるでしょうねー」

「とりあえず、はやく食べたいほー!」

「ほっ!?」


「もう、大行列じゃないですかー!」

喜多方ラーメン屋「坂内食堂」
開店は午前7時にも関わらず、早朝から行列が出来ていた。

「とにかく、並ぶほー」

携帯電話で適当に調べ、
一番早く、朝7時からやっているということで、
選んだ坂内食堂であるが、世の流行に乗ってしまったのだ。

朝6時40分から並び始めて、7時15分頃やっと店に入れた。


雰囲気


メニュー


注文はもちろん、大盛りネギチャーシュー!! 1100円!!
レジにて事前に頼んでお金を払う。

カウンターに座り、目の前で作られる大量のラーメンを見る。
・・・よだれがとまらない。

こんな、ものを見せ付けられるのだ。

肉の山盛り。これが、ラーメンに添えられていく。
普通のラーメンには肉4枚。チャーシューメンには・・・数え切れないほど!!

7時45分。注文して30分

いよいよ現れた。

喜多方朝ラーメン。坂内食堂のネギチャーシュー大盛り1100円だぁ!



そして、食す。

昨日の宇都宮の餃子から久しく食べるちゃんとした飯だ。

ネギ!

肉!

麺!

そして、喜多方のうまい水で作ったスープ!

すべてが染みる。
体の血となり肉となれ!

箸がとまることはなかった。二人の会話もなくなり、ただただ食べることに集中した。

そして、

「ごっそうさま!!」

二人は満たされた。
山形にはまだたどり着いていないが、色々満たされたしまった。

最後の方は、お腹いっぱいすぎて、肉が憎たらしくなってしまったのは秘密です。


なんと、食べ終わっても、外の行列はさらに長く!


すごかった。

「さぁ、山形まであと一歩!行きましょうか!」
「うほー」


「うまかっただろー」 (天の声)



第15章 いざ山形へ



※イメージです。

適当な感じで決まった、山形行き。
現在地は福島県は喜多方なので、山形県まであと一歩となった。

喜多方から国道121号線にでて国道を北上する。


整備された121号線を進む。
バイパスのようで、生活感は無く、道路技術があがった最近の道路であると思えた。


山腹に取り付けたような道路で、
標高をどんどんあげる。

ダムを横目に険しい山がせまってくる。

「大峠トンネル」


このトンネルをくぐれば山形県。
福島県と山形県の県境の山脈を貫くトンネルである。
県境はトンネルの中にあった。

県境撮影!失敗!!


しかし!山形県突入には変わりなーーーーい!!



やみゃぎゃたぁーーーーだぁーーー!!



ついにやってきました山形県。トンネルの出口で。


原付ツーリング風写真撮影。時刻は午前8時30分。

上野を出てから、約21時間!

我々は遂に、山形県に侵入したのである。


「ところで・・・。山形に来ましたが、今後どうしましょう」

「ほー、とりあえず、温泉行くほー」

「また、温泉ですか!?」



第16章 小野川温泉

「大峠トンネル」 山形側


「温泉いくほー」

「近くに小野川温泉って言う温泉があるので行きましょう。公衆浴場もあってよさそうですよ」

・・・

午前9時 小野川温泉 到着。






露天風呂 小町の湯 200円 男女別


「気持ちよかったほー」


露天風呂 小町の湯は温泉街からすこし出たところで、
観光客向けの施設であった。

温泉街らしさ、地域らしさを感じたいのなら、他の公共浴場がいいかも。


「次はこのあたり1番の秘境温泉に行きましょうかー」
「行くほー」
「その名も姥湯温泉。ここやべーすっぅよぉ。へっへっへっへー」
「わくわくするほー」


第17章 姥湯への道


現在時刻 午前10時
小野川温泉から姥湯温泉を目指す。



姥湯温泉に向かう途中、奥羽本線のスイッチバック跡を楽しむ。

この板谷駅スイッチバック跡での草むらで、たぬきを追いかけた。


板谷駅スイッチバック跡


現在の板谷駅


山形新幹線「つばさ」の通過



板谷駅からトラックを走らせる。
またまた、奥羽本線のとある駅に到着。



峠駅。
マニア固唾の駅だ。










廃線部分と戯れた。

この峠駅前には「峠の力餅」という茶屋があり。製造販売をしている。


歴史を感じる。



峠で戯れ、いざ、姥湯温泉を目指す。

路面もボロボロ。
道幅も狭いく、すれ違いが大変な林道を原付積載トラックがいく。

時には意味のわからない、車版スイッチバック道路にも出会う。


峠駅を出て約30分、谷が開けた。



10月上旬でこの紅葉である。
標高の高さが伝わるでしょうか?
ここまで来れば、姥湯温泉はすぐそこ。


第18章 姥湯温泉



山形一の秘湯温泉、秘湯を守る会の会員でもある、姥湯温泉「桝形屋」。
写真に写っている建物が旅館で、さらにその奥に日帰り入浴が出来る、混浴露天風呂がある。

日帰り入浴 600円
受付時間 午前9時半から午後3時半。


建物が更衣室。湯船は3つあり、1つは女性専用の露天風呂となっているが、
眺めがよく迫力があるのは、更衣室のすぐの湯船。

※大人気ですっぽんぽんの方が大勢居るので湯船の写真は撮れませんでした。

真っ白の湯で、硫黄くさく、舐めるとすっぱい温泉です。


旅館と駐車場を結ぶ物資輸送用索道


紅葉が迫ってきた。





混浴風呂であるのだが、もちろん男だけだあった。
そもそも、秘境感を求めてきたので、混浴なんてどうでも良かった。

だから、湯船に男しかいなくても、悔しいとか思わないで、普通に風呂を楽しんでいた。

「昨日の湯西川の露天風呂で足とか変にやけどしてて、地味に痛いですー」
「ほー、いい湯だほー。・・・外の岩に乗って、谷を眺めながら涼むほー」
「そうですねー。あっ、・・・先輩!」
「女性が入ってきたほー・・・」

バスタオルは巻いていて、旦那同伴であるが女性が露天風呂に入ってきたのだ。

しかも、2人!

「・・・うほ」

・・・

・・・

大きい露天風呂ではあるが、予想していなかった事象に動揺する少年2人。
車のオイルのことなど、どうでもいい事の会話が弾んだ。照れ隠しだ。

・・・

・・・

「・・・そろそろ行きますか」
「そうするほー」


姥湯温泉、桝形屋旅館さんお世話になりました。


第19章 本当の終わり


現在時刻は13時。ここは、山形県。

タイムリミットは、上野のレンタルバイク返却の19時30分

「今から帰れば間に合いすかねー」
「とにかく、急いで帰るほー」


帰り路を急ぐ。


狭い道を急ぐ。

来た道を戻り、国道に出る。
国道もただふひたすら走る。
途中で、桃を買って、福島を味わう。

高速に乗る。福島から高速帰宅!

ひたすら東北道を下る。


「間に合いすかねー」
「ほー」

本当に、淡々と高速道路を走り、東京を目指した。

「眠い・・・。寝ちゃだめだけど・・・ZZZ・・・ZZZ・・・。」

「・・・」

淡々と走る。

「やばいほー。連休もあって少し渋滞してるほー」
「まじかよー。渋滞どうかしてくれー」
「渋滞解消されてきたほー」


「高速道路は浦和で降りて、一般道をいくほー」
「とにかく急ぎましょう!ナビの到着予想時間が結構ぎりぎりですよー」


先輩の秘密基地、レンタルトラックの乗り捨て返却が池袋の方で、
原付の積み下ろしもしなければいけなないので、上野方面ではなくまず池袋の方へ。

一般道を走る。
思った通りに進まず、イライラが募りつつも・・・


「ついたほー!」 「帰ってきたぁー!」


先輩の東京秘密基地に着いたのは時刻は18時45分。
これから、原付を降ろして、レンタルバイクを上野に返さなければならない。
残り45分・・・。

「迷わないようがんるんだほー!」
「道わかんねーけど、どうにか上野行ってきます!!」

18時50分頃 タイムリミットまで後40分。
池袋らへんを原付で出発。昨日、日光で先輩の原付壊れてから約24時間ぶりのレンタルバイク乗車!


都内を走る、原付ライダー。

「間にあうかなー。あっ、ガソリン満タンにしないと・・・・。」

返却の上野の店まで来たが、給油できていなかったため、いったん通過。
時刻は19時20分。
「やばい!ガソリンスタンドないよぉー・・・。あ、あった!」

焦りならガソリンスタンドへ行って、給油してもらう。
現在時刻19時27分!
「やばい。絶対間に合わない・・・。とにかく、店に行こう!」


19時32分。店の前に到着。


「すっ、すいません!原付を返したいんですけど!」

「はい、どうぞー。お茶とコーヒーどっちがいいですかー?」

「へ?」

慌てたわりには普通に返却できてしまった。
しかし、まぁよかったよかったー。

無事、レンタルバイク返却完了!



終章 肉

上野で無事にレンタルバイクを返した。
1泊2日で借りてのだが、実質乗車したのは、上野〜日光と池袋あたり〜上野だけであったので、
時間にして、6時間くらい。

レンタルした意味どうのこうの考えると、良いんだか悪いのかわからないが、

レンタルバイクをトラックに積んで、トラックツーリングが出来たので良しとしよう!


原付だったら野宿で死んでいたかもしれないし、温泉もそんなに巡れなかっただろうし。


上野から電車で、池袋の方に行き、再び先輩と合流。

しめの、焼き肉をして、電車で家路に着くのであった。



先輩に見送られ、ホームへのエスカレーターを降りる。

そして、電車に乗った。

電車のドアが閉まる。
それと同時に今回の原付ツーリングの幕が降りた。


0泊2日のとんでもない、ツーリング?となったが、人生の1ページに刻まれた事は間違いない。
1年後、5年後、10年後、これを思い出して、酒を飲みたい。
さらには、今度はずっと原付でリベンジ山形を目指したいと次回以降の目標も出来た。

この、旅、冒険をした者にしかわからない世界、心境というものを大事にしていこう。。


次は何処へ原付ツーリングに行こうかなぁー。



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